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■第一回TICAD・アフリカ勉強会特別シンポジウム 議事録 


日時:2007年7月10日(火)13:15~14:30 
於:名古屋大学国際開発研究科 8階第一会議室 
参加者:40名 

 1. Program

  • Welcome Address: Prof. Shinichi Yamamoto(Vice President for international affairs of Nagoya University) 
  • Guest Speech: Prof. Masao Yoshida(Board member of TCSF) 
  • Lecture “Fighting Poverty in Malawi”: Malawian Ambassador- Roosevelt L. Gondwe 
  • Free discussion 
  • Conclusion Remarks: Prof. Hirotsune Kimura (GSID)


<Malawi Poverty Reduction Strategies(MPRS)>
MPRSは4つの政策柱に基づき、貧困削減プロジェクトを作成しています。
すなわち、①急速で持続可能な経済成長と構造調整の促進、②人間資本開発の増進、③脆弱な生活の質の改善、④ガバナンス、の4点です。貧困削減は、他の様々な問題と関連するため、国家の政策枠組に取り入れることが、国家全体の発展につながると考えられます。

 

 <Malawi Growth and Development Strategy(MGDs)>
MGDsの主な内容は、MGDとは、MPRSの中間目標としての位置づけがされています。持続可能な経済成長・人的資源の基盤確立・脆弱なエンパワーメントの保護という原則のもとに成り立っています。また、飢餓の削減・初等教育の増加・女性のためのプログラム・HIVやマラリアの予防・安全な水へのアクセス向上が目指されています。
従来の政策の改定と予算が見直された90年代以降、世銀やIMFなどのドナー機関を通じて、マラウィには支援が行われています。近年は、若者支援・教育・職業訓練・制度構築などが貧困削減の重要な第一段階であると考えます。例えば、法の支配や人権についての制度が確立されていなければ汚職が蔓延してしまいます。そうであるならば、効果的な援助の浸透・実現はできません。

<Implementation>
ドナーなどからの支援と年間予算に基づいて援助計画が作られ、優先順位の高いものから予算が割り当てられます。すなわち、農業肥料政策、雨水による灌漑設備、インフラ整備、農村地域開発、保健・衛生、教育などです。
政府がコミュニティのニーズをくみ取って、地域の問題に対応することは困難です。したがって、このような開発のイニシアティブは、コミュニティが持つべきであると考えます。また、開発援助の段階に応じて予算の見直しを行わなければなりません。例えば、日本はマラウィに大きく立派な橋を建設したが、人々がそこにアクセスをするための手段がなければ意味がありませんし、メンテナンスも必要となります。そのための費用を国家予算に組み込まなければならなくなり、様々な面で影響を及ぼす。ひとつの支援は、他の事柄にも影響を与えると考えられ、それらの様々な分野に対して人々のアクセスが確保されるべきなのです。

〈One Village One Product in Malawi〉
マラウィでは一村一品は政府によって運営されている運動です。一村一品は地方政府・農村開発省に事務局を置いています。マラウィの一村一品は3つの主要な機関によって支援されています。それは、コミュニティ(資金貢献)、政府(技術支援、プロジェクト融資、プロジェクト評価、市場安定、訓練)、JICA(融資、機械装置、専門家)です。では、マラウィでの一村一品はどのように機能しているでしょうか。マラウィの一村一品はコミュニティがプロジェクトを選定します。そして、それぞれのグループが民主的な方法に則り議長、副議長、書記、副書記、会計そして4人の委員から構成される委員会の設置が期待されています。グループは銀行口座を開設し、経済活動を行わなければなりません。そのためには、グループは必ずビジネスプランを持つ必要があります。グループ運営中は費用、損失をシェアする準備をしておく必要があります。一村一品運動の影響としては、利益を享受する人が増えた、利益を享受する人々の間のネットワークが構築されたという点は注目に値します。世帯所得も向上しました。アンテナショップが都市に作られました。一村一品製品は現在、国のスーパーマーケットで利用可能です。これからのマラウィの一村一品の大きな挑戦は、市場へのアクセス、資本インフラ、製品の市場への移送、小規模ビジネスマネジメントのスキルが挙げられます。これらの問題をクリアすることにより、より質の高いプロジェクトになると思います。

〈Millennium Village Program〉
 国連ミレニアムプロジェクトは、貧困に陥った村の発展を助け、2015年までに達成出来なければなりません。住民の歩ける距離にヘルスクリニックや教育的施設を設置し、食料安全保障、安全な水へのアクセス、道や電気などのような本質的なインフラを設置しています。ミレニアム村プロジェクトはマラウィでは2005年に始まりました。11のマラウィの村がパイロットプロジェクトとして認定されています。プロジェクトはひまわりの種と肥料を家族に提供します。2006年のプロジェクトではハト豆、その他の豆類、落花生を提供しました。すべての受益者の数は13236世帯であります。政府系機関である笹川技術財団は家族を訓練しました。2006年のプロジェクトでは食料安全保障が改善しました。また、人々は衛生施設と学校へのアクセスを得ることができました。

 


3.参加者からの質疑応答(一部)  

質問1:マラウィでは、農民への市場創出の状況はどうですか。

大使による回答:
マラウィの農村では貧困が非常に大きな問題になっています。マラウィ政府は多くの農村が成長のエンジンになると考えており、イニシアティブをとっていかなければならないと考えています。農村にとってマーケットは存在していますが、それはコミュニティのためのマーケットに過ぎません。より多くの収入を得るためには都市に行かなければなりません。しかし、彼らが都市内部でそれらを行うことは出来ません。つまり、他の地域を開拓・発展させていかなければなりません。しかし、砂漠地帯からマーケットへのアクセスは非常に困難です。そこで、地方ごとにマーケットを創出することによりより農民に近い市場の創出が可能になると思います。

 

 質問2:日本はアジアに対する援助経験が豊富にあるが、アフリカ援助の経験が少ないです。そのような日本が、民主化支援を行っていくことはできるのでしょうか?政府が農業と農村地域に対する資源を継続することの政治的インセンティブとシステムは何でしょうか。ガバナンスや制度構築の問題ですが、農村開発において政府、ドナー、での調整を行うための組織作りにおいて、どのような開発支援ができるのでしょうか?

大使による回答:
制度的な問題として、政策を策定していく際に支援的な要素であり、また政策担当者、ドナーもアクセスできるようなデータ管理システムを構築する必要に迫られています。マラウィは農業以外を選ぶことが出来ず、農業に関しても同様にきちんとした文書管理のシステムを構築していく必要があるでしょう。それによってより有効な貧困削減に対する政策が策定できるはずです。エイズに関しても、国家エイズ局がそれらの文書を作成蓄積し、JICAの専門家がオフィスでそれらを閲覧し、それを基にプロジェクトを展開しています。それらのデータベースを活用することで、それぞれのプロジェクトを1から始める必要はなく、コストの削減につながります。しかし、政府による公共支出の予算はあらかじめ決まっているので、それらの制度的ないわゆるソフトな支援を必要としています。アジアモデルについては、産業分野における生産性や技術向上について、またそのための制度構築についてアフリカにも応用は可能であると考えます。民主化支援はわからないが、国民の政治的意思向上や地方自治の在り方については応用が可能なのではないでしょうか。

質問3:貧困削減政策についてマラウィ政府にはたくさんの経験があると思いますが、従来の貧困削減の失敗および90年代以降新しい政策が行われるようになったのはなぜでしょうか?

大使による回答:
構造調整政策によって、公共支出の削減が世界銀行などから要求され、それによって国民の生活は更に苦しいものになりました。かつては一方的な援助が行われていましたが、90年代以降の貧困原因の変化によって従来の政策では対応できなくなってしまいました。そこで、市民参加を促し、ビジネスセクターや農民とのコンサルティングを行いながらの双方向的な貧困削減政策へと移行していったのです。世界での経済開発、貧困の論理は変化しています。1990年代はマクロ経済が最も注目されていました。しかし、多くの学者や援助関係者と議論した結果、参加が非常に重要な意味を持つとの考えをもつようになり、国民の意見に耳を傾け始めました。政策決定者は住民のニーズを聞くようになりました。この政策を今後も推進していきたいと思います。

 

 

<文責>
平塚学、高橋麻奈



2.大使による講義の要旨
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